カテゴリ:解体 decomposition( 7 )

アクアカフェの解体 Decomposition of @KCUA Café

● ● ●

「Trouble in paradise / 生存のエシックス」展の会期は、2010年8月22日(日)まで。
展覧会は終わったが、@KCUA Caféは解体プロセスも「展示」する。
なぜなら、今回かたちになったアクアカフェは、それ自体がいわゆる「展示作品」なのではなく、土の再生と循環のひとつのプロセスの提示にほかならないからだ。
とはいえ、美術館から要請されている9月初旬までに完全撤去できるか、やってみないとわからない。

翌23日(月)は、午前中、2ヶ月ぶりに休みを取り、午後は内部を撮影。
24日(火)は、夜明け前から撮影。午後から解体作業に入った。

作業は、解体というより分解。
土は再利用、竹も窯の燃料として活用するので、峠の茶屋の解体大藪家の解体のときと同様、ていねいに分解し、素材を回収していく。

分解と収集作業は、さいわいにも24日午後から28日までの5日間で終えることができた。
9月1日にすべての資材をふたたび芸大に持ち帰って、美術館の床を掃除・洗浄し、元通りに戻した。


⇒ 解体 decomposition(1) 2010/8/24(tue)
⇒ 解体 decomposition(2) 2010/8/25(wed)
⇒ 解体 decomposition(3) 2010/8/26(thu)
⇒ 解体 decomposition(4) 2010/8/27(fri)
⇒ 解体 decomposition(5) 2010/8/28(sat)
⇒ 土の回収 retrieve of earth 2010/9/1(wed)
[PR]
by aKCUA-Cafe | 2010-09-11 23:00 | 解体 decomposition

解体 decomposion(1) 2010/8/24(Tue) 

2010年8月24日(火)、アクアカフェ、解体1日目。

b0205315_1151990.jpg夜明け前に来て撮影をすませ、看板に本日のメニューを書く。

「解体」と。


b0205315_1235066.jpg
素材を回収する解体/分解には、手順がある。
まず、落ちる土をきれいに回収するため、周囲や床に敷いた石やバラスをとりのぞく。
手伝ってくれるのは、近所に住む福岡直人君(6歳)。この二、三日、夕方になると弟といっしょにアクアカフェに遊びに来ていた。うれしいことに、向かいの京都市美術館でやっていたボストン美術館展より、こちらの展覧会の方がずっと面白かったと言ってくれる。
b0205315_1305271.jpg
b0205315_131182.jpg
床のバラスをもう一度袋に詰め直す。
じゃれてじゃまする直人君。
b0205315_1321960.jpg
直人君がおいしいかき氷屋さんがあると言って、みんなを連れていってくれた。

切り離したシートをパズルのようにつなぎあわせ、周囲に敷き詰めたあと、外側から掛矢やバールで壁をたたいて土を落とす。
b0205315_15131893.jpg
b0205315_1342767.jpg
面白いことに、壊していても、人からは「何をつくっているのか」と聞かれる。
飛び込みで掛矢をふるうのは、たまたま通りがかって飛び入り参加した東京造形大卒の小林可奈さん。
b0205315_1373868.jpg
b0205315_1375487.jpg

b0205315_1381247.jpg制作に時間がかかって、たった5日しかオープンできなかったのに、不思議なことに、壊すことにそれほど惜別の情はわかない。
かたちが消えて土が土に戻るだけだと思っている。
つくり方はからだに刻め込めたし、土の無限の再生力が肌で分ってきているからだろう。

本日1日で、床シートの再構成、室内のバラスの袋詰めを終え、外壁と屋根の土落としを約半分ほど進めた。ふたたび土嚢につめた土は、約100袋。




解体 decomposition(2) 2010/8/25(wed)

アクアカフェの解体 decomposition of @KCUA Café top
[PR]
by aKCUA-Cafe | 2010-09-11 22:00 | 解体 decomposition

解体 decomposion(2) 2010/8/25(Wed) 

2010年8月25日(水)、アクアカフェ、解体2日目。生成する廃墟。

b0205315_10264717.jpg
この日も直人君が作業に参加。朝早くから来て、われわれの到着を待っていたらしい。
お母さんによると、ハマっているそうだ。
b0205315_10271545.jpg
外壁の土はほとんど落とした。ていねいに土嚢につめていく。
b0205315_10274638.jpg
竹木舞を固定していた縄を切り離す。
b0205315_1028725.jpg
内壁。よく乾いている。
b0205315_10282678.jpg
この日は、直人君のお母さんからスイカの差し入れをいただいた。
b0205315_10343924.jpg
まるで「廃墟」をつくっているようだ。
壊すことはつくること。新たな素材、新たな眺め、新たな風景、新たな関係を。
b0205315_10364250.jpg
b0205315_1037565.jpg

b0205315_10374979.jpgこの風景はつくっているときと同じ。時間を巻き戻しているようだ。
土素材の循環と再生をめざして作業しながら、時間の循環を味わう。
おそらく「進歩」という観念に支配された近代の「歴史的時間」の成立以前、人類は、こういう循環する「神話的時間」のなかで、ものをつくり、壊れては再生し、生きて死んでいったのだろう。

だが、鳥居の下で、こんな風景は、もう二度と見られない。

向かいではまだボストン美術館展をやっている。
「歴史的時間」が向こうにある。

b0205315_1041446.jpg
b0205315_10412414.jpg
生まれつつある廃墟から空を見上げ、地面を見下ろす。
土のひとつぶひとつぶを意識する。


解体 decomposition(1) 2010/8/24(tue)
解体 decomposition(3) 2010/8/26(thu)

アクアカフェの解体 decomposition of @KCUA-Café top
[PR]
by aKCUA-Cafe | 2010-09-11 21:00 | 解体 decomposition

解体 decomposion(3) 2010/8/26(Thu) 

2010年8月26日(木)、アクアカフェ、解体3日目。

b0205315_22384176.jpgこの日は、屋根の完全撤去から壁の解体へと進む。

まず、ラス網をはずし、屋根の骨組みを解体する。

b0205315_22411127.jpg


屋根を撤去後、内側の壁土を落とす。
外から掛矢で叩いたり、バールでつついたりして、土が散らからないよう、内側に落としていく。
内壁→外壁→屋根と進んだ制作プロセスをちょうど逆にたどって解体するのが合理的である。
b0205315_10534055.jpg
b0205315_1054585.jpg
b0205315_10542217.jpg

土も竹も再利用できるが(竹は陶器の窯の燃料になる)、ラス網は再利用が困難だ。
時間があれば、コースターをつくるなど、いろんな工夫もありえる。
だが、早く撤去せねばならないし、量が多過ぎるので、しかたなく吉井工務店に処分をお願いすることにした。

b0205315_0571573.jpg
風致地区に建つ危険な廃墟。
一晩とはいえ、人が入り込まないようシートでくるんで、明日に引き継ぐ。


[@KCUA cafe] 本日8/26の報告
「本日は、栗本夏樹先生が朝から参加下さり、まもなくやってきた長谷川先生、堀内君、井上で屋根のラス網外し、屋根の撤去を行いました。午後には、秋山陽先生、塚本さん、富元君、南君も加わり、土の袋詰め、外壁の竹小舞の撤去、内壁の土落としを行いました。塚本さんが紅一点という珍しい状況で作業は着々と進み、土落としはすべて完了、あとは土のう詰めと内壁の竹小舞の撤去、基本構造の分解、清掃を残すのみとなりました。順調にいけば、おそらく明後日には美術館のカフェで打ち上げできるのでは。
ただし芸大への運び込みは日通さんの事情で、9月1日です。
あと二日、協力よろしくお願いします。井上」



解体 decomposition(2) 2010/8/25(wed)
解体 decomposition(4) 2010/8/27(fri)

アクアカフェの解体 decomposition of @KCUA-Cafe top
[PR]
by aKCUA-Cafe | 2010-09-11 20:00 | 解体 decomposition

解体 decomposion(4) 2010/8/27(Fri) 

2010年8月27日(金)、アクアカフェ、解体4日目。

b0205315_03576.jpg
b0205315_0344991.jpg
土嚢に入れて運んできた土をふたたび土嚢につめる。
この日でふたたび約400袋に回収を終えた。
濡れると重たくなってたいへんなので、2段に積んでシートでくるむ。
これをまた持ち帰って再利用に資する。

b0205315_092169.jpg竹小舞の最後の一本。

b0205315_02278.jpg
b0205315_0222334.jpg
b0205315_0524328.jpg
最後は、長谷川さんと井上の二人で、楕円構造体を開き倒す。
竹を集めていると、また近所の直人君がやってきた。

b0205315_040395.jpg
瓦礫の中からムカデが出てきた。いつのまに二重壁のあいだに入り込んだのか。
土と竹の空間は、生きものにも棲み心地がいいのだろう。
これが美術館のなかだと、えらいことになったにちがいない。


解体 decomposition(3) 2010/8/26(thu)
解体 decomposition(5) 2010/8/28(sat)

アクアカフェの解体 decomposition of @KCUA-Café top
[PR]
by aKCUA-Cafe | 2010-09-11 19:00 | 解体 decomposition

解体 decomposion(5) 2010/8/28(sat) 

2010年8月28日(金)、アクアカフェ、解体5日目。
この日で撤去作業を終え、敷地を洗って元通りにした。
疏水の水をふんだんに使えたことがありがたかった。

b0205315_2535466.jpg
b0205315_1101463.jpg
b0205315_2542489.jpg
b0205315_2545660.jpg
b0205315_2562494.jpg
b0205315_1103297.jpg
b0205315_257024.jpg
b0205315_2573348.jpg


[@KCUA cafe] 本日8/28の報告
「本日8/28、朝10時に井上が到着すると、案の定、直人君が待っていました。
作業は、長谷川先生、堀内君、木下さん、南君、直人君と井上で進め、残土の土のう詰めや散らかった部材の片付けを行いました。
お昼は直人君のお母さん手づくりのおにぎりとおかずをよばれました。
午後は路面の洗浄を行い、3時のおやつは、美術館カフェのなかで、自家製豆乳プリン。
仲良くなったカフェの竹村店長が珈琲をサービスしてくれました。
まもなく松井先生が登場、鉄桶を片付け、床を再度疏水の水で洗い直しました。
いつのまにか水鏡に映るのが秋の空に変わっているのが印象的でした。
17:30にはすべての作業終了。井上」



解体 decomposition(4) 2010/8/27(thu)
土の回収 retrieve of earth 2010/9/1(wed)

アクアカフェの解体 decomposition of @KCUA-Café top
[PR]
by aKCUA-Cafe | 2010-09-11 18:00 | 解体 decomposition

土の回収 Retrieve of earth

2010年9月1日(火)、土と竹の回収

b0205315_1311978.jpg
松尾工務店の敷地内に置かせてもらっていた土嚢約400袋を、今度は芸大内に持ち込むので、搬入の前日(8月31日)、置き場所予定地の芸大の西門の内側の雑草と雑木を一人で刈り取って準備する。
b0205315_1315495.jpg
日通さんのトラックは、搬入のときの6tロングとちがって4t車。それでもめいっぱいつめこんで、2往復ですませることができた。
b0205315_1332088.jpg
土嚢を山のようにつみあげる。江戸期の土12tが、京都の西の端と東の端を往復したことになる。
b0205315_1333687.jpg
夕方、ふたたび美術館にもどって、再度、敷地を疏水の水で洗ってきれいにする。

これですべての作業終了。
美術館のcafe de 505の竹内店長が言ったように、@KCUA-Caféは「まぼろしのように」消滅した。


解体 decomposition(5) 2010/8/28(sat)

アクアカフェの解体 decomposition of @KCUA Café top
[PR]
by aKCUA-Cafe | 2010-09-11 16:00 | 解体 decomposition


水のゆくえ/アクアカフェ2010ドキュメント


by イノウエアキヒコ

プロフィールを見る
更新通知を受け取る

カテゴリ

概要 about
コンセプト concept
場所 site
大藪家 Oyabu's house
峠の茶屋 Touge-no-chaya
土のいえ Earthen house
材料 materials
制作プロセス process
5日間カフェ 5days of café
解体 decomposition
琵琶湖疏水 Biwako Canal
テキスト text
協力者 collaborators
問合せ contact

Link

フォロー中のブログ

つちのいえプロジェクト

最新のトラックバック

検索

その他のジャンル