カテゴリ:土のいえ Earthen house( 3 )

つちのいえ House with earth (1) 敷地、作業小屋、土採取

敷地 site

「峠の茶屋」が、大藪農園の一角に建てられたパラサイト型作品だったのに対し、「つちのいえ」は、京都芸大のキャンパス内に、ワークショップ型授業の一環としてつくられた(2010年9月現在未完)。
作業は、「峠の茶屋」完成後の2009年4月23日、雑草生い茂る「芸大の丘」を手入れすることから始まった。
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通称「芸大の丘」は、キャンパス内で、地域の現地形が残る場所にあるが、長年にわたって放置状態にあった。雑草を刈ることから始まった敷地づくりの作業は、まるで土地開拓のようだった。
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埋もれていた円形の基壇を掘り出す。30年前のキャンパス造成のときに、花壇でもつくろうとしたのだろうか。
ここが敷地となる。
小清水漸先生(当時、京都芸大彫刻専攻教授)が顧問として熱心に指導してくださった。
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基準出しのため、敷地に杭を打つ。


作業小屋 shed

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生えている木を利用して、作業小屋をつくる。
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床は、廃材のパレットを利用。しかし水平はしっかり出す。
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これで雨天時の作業空間や、資材置き場、ミーティングスペースが確保できた。
このワークショップ参加者は、男女を問わず、将来、家は買わずに自分でつくるようになる(期待)。


土採取 getting earth

材料採取の段階も、場所の手入れも、制作の段階と同じ比重で重視すること、
材料は買わずに、すでにあるものを調達すること、
この2点は、峠の茶屋からアクアカフェに至る一貫したポリシー。
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2009年4月30日、9号線沿いの造成地で、斜面をけずっていた達城土木さんから、親切にも土を分けてもらう。
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別の残土置き場でも土をいただき、土嚢につめてピストン輸送する。

ハードな作業だが、この材料採取を通じて、身の回りの環境をすべて素材の宝庫とみなすようになった。
この感覚が1年後の大藪家の土救出につながっていく。


つちのいえ House with earth(2):版築、基本構造

つちのいえ House with earth top



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by aKCUA-Cafe | 2010-09-03 10:00 | 土のいえ Earthen house

つちのいえ House with earth (2) 版築、基本構造

版築 rammed earthworks

2009年夏、古来からの土の工法である版築で壁をつくる。つちのいえの円形プランで、入口を入ったところに、ちょうど琉球民家のヒンプンのようなかたちで立ち上げる。
版築建築の旗手・畑中久美子さんを招いて指導をあおいだ。
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版築に用いる土はふつうは真砂土。
畑中さんが以前ワークショップをされた滋賀県立大学でも、真砂土を買っていた。
われわれは買わない。手とからだで採取してきた土をふるいにかけて用いる。
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作業は毎週木曜午後。丘の上に、土を叩く音がこだまする。
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2009年9月17日、型枠をはずす。


基礎構造 basement

2009年秋の作業。
つちのいえの壁は、北半分が二重竹小舞に荒壁仕上げ、南半分が土のブロック積み、という複合的なもの。
基礎に使う石や、柱に使う木は、いずれも無償で入手する。
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学内で拾い集めた石で壁の基礎をつくる。3点支持で、ひとつひとつ安定させていく。
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曲がった自然木2本を、独自の工夫で柱にする。ベンチで柱を支え、柱でベンチを支える。
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つちのいえ House with earth (3):二重竹木舞、土練り、土塗り

つちのいえ House with earth top



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by aKCUA-Cafe | 2010-09-03 09:00 | 土のいえ Earthen house

つちのいえ House with earth (3) 二重竹小舞、土練り、土塗り

二重竹小舞 double bamboo mesh

壁厚を出すための独自の工夫。
通常、竹小舞は一重で、最初、オモテから土を塗り込んで、はみ出た部分を裏側から塗り込んでいく(裏なで)。それを繰り返して、荒壁、中塗り、と進んでいく。それゆえ、何度も塗り重ねないと、壁をあまり厚くすることはできない。
これに対し、つちのいえでは、柱になる竹材の両側から貫材をまわし、小舞を二重にして、片側から土を塗り込み、中空になった空気層で土を乾燥させる。
こうすると、ただ一度の塗りで、中が空洞の分厚い壁ができる。空気による断熱性も期待できる。
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左側が北方向で、竹小舞を取り付ける部分。竹柱の内外から貫材をまわしている。
版築壁は保護のため、型枠をつけている。
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竹小舞をつけたところ。
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北壁の内側と外側。
竹には、土落ちを防ぐため、シュロ縄(縦方向)をびっしりとまきつけ、ワラ縄(横方向)で締め固める。
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同じく土落ちをふせぐヒゲコも、独自の工夫をほどこす。


土練り  kneading earth

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2009年12月、キャンパス内に保管していた土を移動。フォークリフトで1トン土嚢を三つ運ぶ。
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ワラを入れて土練りする。(⇒ワラ採取)
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地面にブルーシートをひろげ、足で土と水とワラをこねる。
この赤い土は、峠の茶屋と同じく、沓掛の旧街道沿いの工事現場からいただいた竹林の土で、粘土質である。
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地元の人によると、この土練り作業は、昔は子供の仕事だったという。大人から土で遊んでおけ、といわれ、遊んでいるうちに土が練り上る。


土塗り applying earth

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2009年1月下旬に始まる顧問の小清水漸先生の退官記念展にあわせて、とりあえず北壁の外側から荒壁塗りを始める。
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2010年5月、内側も塗る。
素人のコテさばきはやめて、手で土を竹小舞に直接塗り付ける。
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つちのいえ House with earth top



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by aKCUA-Cafe | 2010-09-03 08:00 | 土のいえ Earthen house


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