壁の復旧 recovery of wall 壁の復旧:8/12

8月12日(木)、台風で被害を受けた壁の復旧。

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朝、到着すると、台風による豪雨のため、昨日塗った部分の土がどっさり崩落していた。
いったん乾けばとても堅牢な土だが、乾かないうちに大雨が降ると、未乾燥の部分は持ちこたえられないようだ。
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二重竹小舞のあいだにも土がどっさり落ちている。
前日に完成したので、ふつうならがっくりくるところ。
だが、なぜかそれほど気落ちしない。

土は、焼かれない限り、落ちても崩れても、練れば何度でも再生できる。驚くべきは、この再生の過程でさらに質がアップすることだ。
つまり土でつくっていると、人間の生産活動につきもののゴミが出ない。ゴミとは「役に立たなくなった不要なもの」だが、土を素材とする生産活動はゴミを出さない。落ちた土もまわりの埃も、いっしょに吸収して、アクアカフェはできあがっていく。

土のものすごい循環性を思い知ると、創造と破壊、形成と崩壊についての二項対立的な考え方が崩壊していく。創造されたものは、完成した瞬間から崩れていくが、その崩壊の中から次の創造のための素材が生まれる。
ブランクーシは、かたちに「端がない」彫刻を生み出そうとした。それが"終わりなき柱 Colonne sans fin"だった。だから彼は彫刻の理想は「水」だといった。
だが、土にははじめから「端がない」のだ。始まりも終わりもない驚異の素材

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雨の流れたあとの藁や礫の風情が美しい時間の厚みを壁にもたらしている。この表情は人為的にはできない。
完成が遅れるとはいえ、これは自然の恵みというべきだろう。
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復旧作業を手伝ってくれたのは、染織作家の今福道代さんの息子さん。
それに、中ハシさんのプロジェクト・ボランティアの小中さん。
落ちた土をミキサーにかけ、柔らかさを水や土で微調整して、ふたたび壁に塗り付ける。
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土落ちした部分も一部そのまま残すことにした。構造がわかるし、空気の取り入れ口にもなる。
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二重竹小舞、中空部。

夜7時半、復旧作業はすべて完了した。


屋根をつくる roof (1):8/13〜14

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by aKCUA-Cafe | 2010-09-05 13:00 | 制作プロセス process


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