琵琶湖疏水:疏水フィールドワーク(1)

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「岡崎チャンネル」——美術館の横を流れる琵琶湖疏水をテーマに取り入れることを決めてから、2009年夏以来、何度か集中的に疏水のフィールドワークを行い、琵琶湖からの水の流れや経路、地形を身体的に把握することをこころがけた。

とくに地形などは、うまく把握できれば、歩いているだけで、起伏のある大きな彫刻の表面をなぞっているような楽しみ方ができる。イサム・ノグチが、大地は彫刻的対象と言ったゆえんだ。

「風景」というと、一般的には静的な視覚の対象、「地理」というと、土地の知的概念的認識だが、「地形」は、歩く身体にとって、刻一刻と変化する動的な造形的対象である。「造形的」とは、言葉の原義において"plastique 可塑的”ということだ。
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改装なった琵琶湖疏水記念館に、大正期における岡崎一帯の水の流れを視覚化した模型がある。
疏水の開設は、京都の都市インフラだけでなく、岡崎一帯に壮麗な庭園文化を生み出した。
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2009年11月28日、疏水事務所の岡本所長のはからいで、碧雲荘庭園を見学させていただく。
東山を借景に、疏水から引き込んだ水で池をつくり、またその水を疏水に戻す。
この庭の作法は、アクアカフェにも必ず取り入れなければならない。

人間は、水をコントロールして大地を征服すると、次にその水の流れを楽しむ「庭」を生み出す。庭の空間は、水の流れによって、人間の目と身体の動きを導く。それは時代や地域の宇宙観・自然観に呼応する。これは古今東西変わらない文明史的事実。
松井紫朗氏らとやっていた「宇宙庭」もこのことを概念的な起点にしている。

それにしても、人間はなぜおだやかな水の流れを見ると落ち着くのか? 流れる水に見飽きないのか?
自然を手なずけたづけた安心感からか? 自我が自然的時間の流れのなかに溶解するからか?
これは造形芸術全体の根本問題につながる問いだ。


琵琶湖疏水:疏水フィールドワーク(2)
琵琶湖疏水 Lake Biwa Canal top




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by aKCUA-Cafe | 2010-09-11 10:50 | 琵琶湖疏水 Biwako Canal


水のゆくえ/アクアカフェ2010ドキュメント


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