構造体(3):二重竹木舞 double bamboo mesh

7月9日(金)、雨で作業できず。屋外での作業なのに、梅雨と完全にバッティング。
もっとも人間の思い通りに行かない次元と渡り合うことがこのプロジェクトでは大事なのだ。

7月10日(土)、一日じゅう国際シンポジウム『生命・環境・芸術』への参加のため、作業できず。

7月11日(日)、悪天候で作業できず。午後は、出品作家のDavid Dannのワークショップに参加。
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帰宅後、土塀の土塊を砕き、水でこねて竹構造の試作に塗ってみる。
江戸時代の土をはじめて使って、練り具合、厚み、乾燥速度、強度のテスト。
それぞれ申し分なく、ほっとしたが、3、4日して表面にカビが出てきた。
梅雨のせいだが、本番でカビが大量に発生したら、とちょっと不安になる。

のち、このテストピースは、現場で説明用に展示する。
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7月12日(月)、午前中、現場へ。
驚いたことに、前日の強風のため、躯体が数メートル、道路側に動いていた。竹小舞による面が風を受けたためだろう。
防音シートを張った足場がなければ、道路まではみ出ていたと思われる。
美術館職員の人に協力をお願いして、元の位置に戻す。幸い、まだ竹の構造だけなので、男6人でなんとか動かせた。やはり大地にアンカーを打つ建築作品ではないことを実感する。
午後と翌13日(火)は大学院の仕事のため、作業できず。

7月14日(水)、雨で作業できず。
午後、知り合いの左官職人・松下輝孝さん宅(宇治)へ。土練りのアドバイスを受ける。
土練機を貸してもらえることになる。人手不足対策。

7月15日(木)、縄とワイヤーによる補強、楕円の整形、竹カット。第一シャフト案内板デザインチェック。雷雨のため作業中断。

7月16日(金)、ようやく晴れ間が見え出す。
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ワイヤーを張り直し、を取り付ける。二つの中心に柱も立てた。
梁の目的は二つ。楕円のかたちの保持。天井をつくるときの足場。
柱と梁とワイヤーの関係で、楕円がかなり正確に出ているのがわかって安堵する。


7月17日(土)

b0205315_1831986.jpgとりつけた梁がさっそく屋根づくりの足場として役に立つ。

天井のシェル構造は、竹柱上端の切り口に、軸となる割り竹を差し込み、二、三重に重ねてビスで固定する。
差し込む長さを調節することで、アーチの曲率を調整する。
アーチの頂点は、楕円の長軸4.8mに対して、運び込んだ最長の6mの竹を使うことで自然と得られるものをもってよしとした。
竹どうしが交差するポイントをビスと縄で固定していく。

この作業は終始、長谷川直人さんと井上の二人だけで行った。


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内側の竹小舞をすべて取り付ける。しかし仮づけしただけで、しっかりした固定はまだ。
この日は、久しぶりに学生が手伝いに来てくれた(漆工の前田、谷口)。


7月18日(日)・19日(祝)・20日(火)、ようやく梅雨があけ、夏が本格化する。
柱の傾きの修正、竹小舞の取り付けに引き続き取り組む。
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観客に「いつから土を塗るのか」とよく聞かれる。
外壁にも竹木舞をつけたが、まだしっかり固定できていない。とにかく人手が足りないのだ。
このところずっと単独作業。ときどき長谷川直人さんが助っ人に来てくれるだけ。

7月21日(水)、疏水の水を汲み上げ、内部を貫通させた竹に流す実験を行う。
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7月23日(金)、疏水事務所の足立係長の立ち会いのもと、疏水からのポンプアップを始める。
これで遠くの散水栓まで水を汲みに行かなくてよくなる。
P3のアートプロデューサー芹沢高志さんが来訪。

7月24日(土)、竹木舞の作業の続きと窓枠の取り付け作業。
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土落ちをふせぐため、竹小舞にシュロ縄を巻いていく。膨大な作業量。
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窓枠を6個つくり、縄を巻いて壁に取り付けはじめる。
いずれも「つちのいえ」で実験したやり方だ。
屋根もかけるし、電灯はつけないので、6つの均等に配された窓が大事な明かり採りになる。
窓の位置は筋交いの交差部の上。うまく鳥居の中心を窓の中心でとらえることができた。
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美術館の入口横の屋根の下が、われわれの食事と休憩の空間。疏水向かいのコンビニで弁当を調達。美術館がこうしたふるまいを許可してくれるのがありがたい。


構造体(2):基本構造 fundamental structure
構造体(4):素材と構造〜二つの発見 two returns

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by aKCUA-Cafe | 2010-09-05 21:00 | 制作プロセス process


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