材料調達:水 water (1)

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アクアカフェは、大藪家から採った江戸時代の土と、明治期に開設された琵琶湖疏水の水をこねてつくられる。
それは、土と水というふたつの地球の根本物質、京都の西と東の端、江戸時代と近現代が交差するところに立ち現れ、生存の条件について問いかけるものであらねばならない。(⇒コンセプト図

価値の起源を問うためには、量と質、公と私、有償と無償の転換をくぐりぬけねばならない。
だから土をこねるのに、水道の水を使っては意味がない。
あくまでその手前の、人間の手の届くところにやってきた自然の水、無料で無限に使えるおびただしい水、が必要だった。

b0205315_2554015.jpg美術館の横の琵琶湖疏水の水を汲み上げるのに水中ポンプを物色していたが、ありがたいことに、芸大設備課の内池さんの協力で、使われていないポンプを借りることができた。

7月2日、設備棟の倉庫からホコリまみれのポンプを見つけ出して、内池さんといっしょにテストする。

無事、動いた。
ホースの外径32mm、80l/m、揚程5m。
疏水の水面から美術館の敷地まで、高低差3m弱。


同日夕方、辰巳・疏水事務所長の立ち会いのもと、疏水からの汲上げをテストする。
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疏水の水を汲み上げるには、京都市上下水道局の許可がいる。
それには、今回のプロジェクトが、琵琶湖疏水の意義をこれまでにない角度から伝えるものでもあることを理解してもらわなくてはならない。

公的機関の協力を得るには、事務レベルとわれわれ現場レベルの二つのレベルで交渉が必要だ。

事務局レベルでは、水道局と芸大、美術館のあいだにパイプがなかったので、相当な調整や交渉が必要だった。いちばん熱心に動いてくれたのは、美術館の庶務課だった。

他方、現場レベルでは、昨年(2009)夏以来、疏水扁額案内板のデザインなどを通して、疏水を管理する疏水事務所とずいぶん個人的な交流があった。それをベースにして、今年正月から、「生存のエシックス」プロジェクトチームで、疏水のフィールドワークや撮影をさせてもらい、共有できるモチーフを探った。

こうした交渉で大事なのはあくまで個人だ。特に芸術にも関心の深い疏水事務所長の岡本繁樹さんとの出会いがなければ、今回のプロジェクトはちがったものになっていただろう。岡本さんは今春で異動になられたが、現在の辰巳所長にもうまく引き継いでくださった。


材料調達:水 water (2)

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by aKCUA-Cafe | 2010-09-04 02:30 | 材料 materials


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