材料調達:防音シート cover for construction site (1)

大藪家の解体のとき、吉井工務店が使っていた防音シート(*)が気になっていた。
6月1日、美術館学芸課の河本さん・牧口さんに次のように提案する。

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「近代美術館 河本様 牧口様

前庭での作業中のことですが、夜間の接近を阻む目隠しとして、竹塀の案を出しましたが、
あとでお見せした解体業者の防音シートを使ってはいけないでしょうか?
"夢中です。"の文字が逆さになって林立し、冒頭の文字が消えているものです。
ちょうど土を集めた江戸期の民家解体工事現場にあったもので、
美術館の前だとさまざまな寓意とメタファーが発生します。
文化財と廃棄物、破壊と創造の相同性も喚起されます。
ただあまりにもきたないレディメイドなので、反発も大きい気がします。
しかし私は、今回の展覧会はそういう踏み込みも必要な気がします。

可能性があるなら、動いてみようと思います。
借りれないかもしれません。
借りれても、建築作業が済んだらはずします。
ご意見くださるようお願いいたします。

井上明彦」
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現場は岡崎公園の風致地区なので、拒否されるかもしれないと思ったが、学芸課の河本さんから意外にも即賛同が得られた。さすが骨のある人である。
吉井工務店の会長に連絡すると、即座にシートの貸し出しを快諾してくれた。金は要らないと。
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6月20日(日)、防音シートを借りるため、伏見区深草宮谷町の吉井工務店の処理場を訪れる。
丘の斜面を上ったところに、4000坪からなる広大な敷地があった。

吉井さんは、解体対象が古民家から、高層ビル、工場、寺社と幅広い。
外見とちがって、心暖かいクリスチャンでもある吉井さんは、大きな庭石や古い門、庭木なども廃棄処分にしないで持ち帰ってくる。それが長年にわたって続いていて、相当な量になっている。
ひとの管理の手から解き放たれた膨大な廃物たち。
今やそれらが、伏見城を望む丘の上で、独特のブリコラージュによるランドスケープをダイナミックに繰り広げている。
こういう人物や風景に出会えただけでも、今回のプロジェクトをやる価値があったと思えた。
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防音シートを11枚、吉井工務店からお借りして芸大の「野外アトリエ」に持ち帰る。
シートは各180x360cm、10枚で18m弱カバーできる。それで11枚。
汚れを落とすべく、音楽棟裏の野外ステージにひろげる。
アクアカフェのスタッフに名乗りをあげてくれた1回生の小林さん・一柳さんといっしょに、デッキブラシでごしごしこする。

夕暮れどき、ステージの客席に「夢中です。」を干し広げていると、空の色合いが劇的に変化した。
それは、これから長期に続く夏の野外制作のいいスタートに思えた。
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材料調達:防音シート cover for construction site (2)

材料調達 how to get materials top




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by aKCUA-Cafe | 2010-09-04 01:30 | 材料 materials


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