峠の茶屋 Teahouse on the pass(1)

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アクアカフェには二つの前身がある。
その第一は、大藪家の駐車場の一角に建てた「峠の茶屋」(2008.8~2010.4)である。

大山崎街道(西山街道)は、昔、大山崎から沓掛を経て丹波へ荷物を運ぶ牛馬が行き交ったそうで、大藪家はちょうどその峠のような位置にある。
九社神社参道入口にもあたり、石燈篭が立っていて、かつては付近に一休みするための茶屋があったという。

これをふまえて、2008年7月に行われた「みどりの停留所」展において、井上明彦が『峠の茶屋計画』を発表した。
「峠の茶屋計画」は、道路工事の進展による家屋取壊しが続くなかで、地域から廃材を集めて、大藪家の駐車場の一角に即席でつくった仮設構造体。大藪家が土塀もろとも取り壊されることを見越したうえで、その土塀を延長することを訴えるものだった。
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『峠の茶屋計画』↑ 天井には「土塀延長」と大書された。↓
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これを発端として、「みどりの停留所」展終了後、大藪家の賛同を得て、同じ場所に『峠の茶屋』を建設する作業が始まった。

制作にあたって、極力材料を買わないこと、地域から出た廃材を利用すること、土塀の延長となる壁にはやはり地域から土を入手して用いること、が基本方針となった。

制作にたずさわったのは、井上明彦と、京都芸大生(当時)の山口哲史、富元秀俊、中岡庸子(いずれも「みどりの停留所」展参加者)、堀内航、上坂秀明の6名であった。
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『峠の茶屋』の建設プロセスは、われわれが日干しレンガづくりや石積み技術を手探りする機会であったが、同時に、公共空間において空間を構築する作業は、老人や子供たちを含めた地域の人々のあいだに新しい交流を生み出しうることを実感としてつかむ機会となった。
例えば、老人の持つ知恵(ワラの編み方や石積みの技術)がわれわれや子供たちに伝わり、それが空間形成にフィードバックしていく。

技術のオープンな共有と同様、廃材になった素材群もまた、無償で多様な使われ方に開かれている。
大原野神社の敷居の廃材が峠の茶屋の梁になり、取壊し民家の梁や銀杏の生木が柱になる。
オープンソース、オープンテクノロジーという、『アクアカフェ』の中核をなす制作思想も、ここで培われた。


峠の茶屋 Teahouse on the pass (2)

峠の茶屋 トップ Teahouse on the pass top



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by aKCUA-Cafe | 2010-09-02 05:00 | 峠の茶屋 Touge-no-chaya


水のゆくえ/アクアカフェ2010ドキュメント


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